妻夫木聡氏のお芝居を目の前で拝見させて頂いた事がある為(昨年、野田地図で妻夫木氏が主演された『エッグ』にアンサンブルで参加致しました)妻夫木氏出演の車と宝くじのCMが流れる度何か別の事をしていても、おっ!と急いで見に行きます。そして頬笑んでしまいます。宝くじの方は同郷の柳葉敏郎さんも一緒なので共演者に共通点があるものありニヤケ度は増します。もう私の事忘れちゃった?かもしれないけど、オレはその気さくなナイスだったガイを忘れる事はないでしょう。CM、一人で見ては声も出さずニヤケます。これらのCM、私にとっては

毛をもぎました。
伸ばす事二年半。毛が細くて絡みやすくてそのくせ乾かなくて休み休みドライヤーかける生活に疲れてしまい短髪にしたかったのですが、フカプロ(FUKAIPRODUCE羽衣の略)のイメージ的に長髪がいい。との事でずっと却下されてきました。
しかし、切りたい。と言って駄目。と言われるのは実は嫌いではなかったの。でも今回、了承されてしまったのでもう切らなければならなくなりました。もう私に興味がないのね?とオーケーされたらされたで揺れる女心です。
髪を切るパーマ屋さんは先日迄一緒にお芝居していた中林舞に紹介して貰いました。

担当者は口数の少ないイケメン。
絡むし乾かないから髪切って。手入れ全くしないから乾かすだけでいい頭にして。と伝えるとヘアカタログを例えば持って来てくれた。
モデルさんだからどいつもこいつも可愛かったが、前髪短めのしたたかそうなモデルさんを指し、これのもうちょい短め。と注文した。

担当してくれたパーマ屋さんはゆっくり話してくれるのでよおく話が分かった。
初めてのご来店だのにこの熟女は何故に自分を指名してくるのか?という疑問はこの担当者にはわいてこないのか?もしやその前に私に興味がないのか?そりゃそうだ。というくらい口数が少ない。というか無口。パーマ屋さんは無駄口たたいてお客様に気を使わせては駄目なんだ!こうあるべきだ!と。伊藤規格の『パーマ屋さんの鏡』に認定です。
パーマ屋さんの鏡に認定はしたものの、今度はこちらが我慢できず中林舞の紹介で本日参りました。2〜3日前に中林舞にしたアナタのカットに憧れて本日参りました。と自分から言ってしまった。ああ、中林さんの。と。パーマ屋さん笑顔で対応。その反応もゆっくりしてくれるのでよおく話が分かった。

無駄話をせず順調に切って貰う。どんどん毛が無くなってく、母と一緒に過ごした部分、その死を見た部分、去年の冬一緒に過ごした部分、妻夫木聡氏に出会った事を覚えている部分。サロメvsヨカナーンで結って貰った髪の毛、固めては洗って、洗っては固めてきた部分がどんどん無くなってくーー。

目で見るとすごく軽くなったのがわかっても体としては、何故だ?肩が変なのか?軽くならない。いつもと同じ。全く勿体無い話だ。

もう散髪も終盤でパーマ屋さん、珍しく何かしゃべってると思ったら、前髪の長さはこれでいいか?との問い合わせだった。何を言っている!もっと切って(やって)くれ!もっとだ!と要求をする。このやりとりはその後数回続く。だんだんパーマ屋さんのプロ生活の美学を乱す熟女に慎重になりだした。中林舞を作った実力とプライドは私によって傷つけられたのやも知れない。
お客さん、珍しい。そんな風に戸惑いを口にするのも無理がなかったろう。何度かやりとりあった後、最終的には猿の様に!もっと私を猿の様にして下さい!と声を大にして叫んで居た。何でそんな事を言ったのか自分でも分からない。動物園でもまっ先に猿山に飛びついた経験はない。私だって普通の熟女だ。キリンだ!白熊だ!ライオンだ!ペンギンは居ないのか?!パンダを出せ!と求めて来たのだ!
イエローマンキーの潜在意識がそうさせたのか?自分のルーツを今こそ知りたい!岡村隆史氏はどうしてる?織田裕二氏は幸せなのか?御先祖様に感謝すると共に人間の可能性は未知なのかもしれない。と誇りに思う。
一体、何の話だっ?!

始めは手入れ全くしないので、ただ乾かせばいいだけにという要望に応え調節してくれていたのだけれど、前髪いらないと言いだしたらバランスがそういう訳にいかなくなってしまい。どんどん毛がなくなっていく。
実は平成のピテカントロプスと噂されたいのかっ?!
前髪の長さを確認される度、もっと、もっと切って(やって)くれよ!とヘアカタログにあるオンザ眉毛のモデルを指差し、この娘の様にっ!!何度も要求したが、最後にはそのカタログに猿は載っていないかと頁をめくって居た。
何度目かのこんな感じでどうですか?に(後にこれが最後の、こんな感じでどうですか?だったのだなあ。と思い出す度、胸が熱くなります)もっと!もっと!と(まだ人間じゃないかっ!なうっ!)言ってみても、もう限界です。と、さっきまで、では、あと気持ち。あと気持ち。とはさみを動かしてくれていた担当者もはさみを置き、バックスタイル確認の為の鏡を取りに私の元を離れた。バックスタイルなんてどうだっていい!前髪を!前髪を!もっともいでくれっ(やってくれっ)!喉まで出かかり我に返ると伊藤的パーマ屋さんの鏡は大きな鏡を手にバックスタイルを見せながら、意外とお似合いです。と微笑んだ。ただこの短さではワックスをつけないと。と付け方をゆっくり説明してくれる。ココは押さえてココは持ち上げて云々。晩御飯を二度食べる様になってしまった状態です。会計を済ませお店を出る頃はやり方など髪の毛同様キレイさっぱりなくなって居ました。帰りの玄関で、もしもっと短いのが良かったら連絡下さい。とベストを尽くした者だけが出来る微笑みで送り出してくれた。社交辞令ではなく本気で言って居た。

髪切って気おさまる。気が済んだので芝居仲間、最近互いに捜し物が増えた西田夏奈子に遊ぼー。とメイル。ロフトに居るっていうから会いに行く。おお〜、似合う。と言ってくれるから安心。少し二人でロフトをウロつく。アクセサリー売り場。散髪後一番に会いに行って、指輪とか首輪とか見る。コレまさこに似合うよ!コレかなこいいじゃん!
この人が男だったらもしくは自分が男だったら私達(俺達)、結婚しよう。と婚約指輪を買ってもおかしくないんじゃないか?という位。変な時間であった。
思えば二年半前も結構な長さ切った時、西田夏奈子に一番に会いに行った。次の断髪までには彼氏を作り、彼氏に一番に見せたいではないか!私が西田夏奈子いらずになる時は果たしてくるのか?いや、それは来ないだろう。西田夏奈子は世界に一匹なのだから。

帰宅して担当者の言った意外とお似合いです。の、意外との意味を考えながらもう触れる髪がなくなった頬っぺたを触る。鏡で確認するとショートヘアって、色々ごまかしがきかない。実力不足を感じた。大竹しのぶ先輩、樋口可奈子先輩、剛力彩芽先輩、夏菜先輩、蒼井優さん、研ナオコ先生、和田アキ子師匠、加藤登紀子相談役、橋田壽賀子会長、瀬戸内寂聴ご意見番、雌猿。尊敬します。
つい最近まではそのままおろせば山下達郎氏、耳にかければ武田鉄矢氏、ひとつにまとめればガッツ石松氏と様々言われて参りましたが、今は少し伸びて、美川憲一さんっぽいです。尊敬します。
毎朝、寝癖と戦う同士よ!幸あれ。